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「にゃは、そう来たんだ。なるほどねー、なるほどねー、これは考えてなかったよ。いや褒めてるわけじゃなくてさ──考えるまでもなかった、って感じ?」
最初こそ驚きの表情をしたテテさんだったが、驚いただけで、取り立てて動揺することはしなかった。むしろ、なんだその程度かと見限ってしまったような、残念さを微かに醸し出す。
足場がせり上がってきたのと同じ原理なのだろう、中央に仕切り用の壁が自動で出来上がり、そして互いの準備が完了して仕切りが取り払われる。
宣言通り、相手はバドとイカ。
こちらは──。
「まあ普通は考え付いてもやらないですよね」
僕は頭を掻く。
奇策と言えば奇策だが、ただ奇をてらっただけのようにも、見えなくもないなあと、今更ながらに思うところだ。
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