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テテさんは僕の発声に驚き、僕を見る。バドは僕になど見向きもしなかったが、それでもラナ姉妹を見失い、先程まで彼女たちがいた付近に目が奪われる。
遥か頭上、移動の兆しすら捉えさせず、ラナ姉妹は易々と不意を突くことに成功した。ほんと、味方となるとこれほど頼もしいやつはいないな。
そして敵の知覚が追い付く間も与えずラナ姉妹は──バドへ向けて一斉に小刀を投擲する。
しかし、腐っても年長。どこへ行ったかまでは悟れずとも、それが攻撃のための一手であるとは読む。
バドは即座に後ろへと回避行動を取り、小刀は足場へと突き刺さる。
──が、それを予見し、ラナ姉妹はもう一揃い、小刀をバドが回避するであろう後方へと投げていた。
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