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が、宙で体位を横向きにくるっと変えると、ラナ姉妹は互いの足の裏を足場に、それぞれ逆方向へ飛ぶ。数瞬の後に触手は彼女たちの残像を貫く。秒数で言えばコンマ何秒の攻防だった。
彼女たちは壁を足場にして再度跳躍する。
しかしそこでイカが真価を発揮する。メリメリと音をたて──巨大化したのである。リーチと筋力の増強により、触手の速度や稼働域は格段に、別次元のものへと変貌せしめた。
だがそれでやっとラナ姉妹に渡り合える程度。様々な技と道具を駆使するラナ姉妹にとっては、たかだか的が大きくなったくらいにしか考えていないようで、これといって動きに澱みはない。
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