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「うわー、ずるっこー、ちゃんと正々堂々戦って勝たなきゃダメじゃんかー」
テテさんが文句を言ってきたが、そんなこと知るか。勝ったもんが勝ちだ。当たり前だけど。
「これぞ『グレートウルトラ注意逸らす戦法』!」
「おお……なんかすごそうです」
クルウさんにネーミングセンスがないという新たな発見をしつつ、三方向からバドを包囲する。
バドはすべてに注意を注ぎながら、じりじりと後退するが、しかし足場も有限だ。距離は次第に狭まっていく。
「自分から落ちるか、僕たちに落とされるか、選ばせてあげよう」
もうこれ以上は下がれない。
バドは諦めたのか、ふっ、と鼻で笑う。
「それはどうかな」
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