死番虫コラール

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 叫んだが、間に合わなかった。  クルウさんは、お得意の危機察知エスケープを先にかましていたので事なきを得たが、チャンタクさんは──バドの背後より現れた触手により捕まってしまった。 「面目ないです……」  肩を落とすチャンタクさん。  だが、もっと早くに気づかなかった僕の責任だ。  あのイカは憤慨していたのではなく、細心の注意を払っていたのだ。足場の外側を通って触手を伸ばす算段。だからそちらに注意がいって、攻撃が疎かになっていた。  初撃の防御にしてもそうだ。あのイカは異様にバドの警護を優先していた。それにもっと早く気づいていれば。
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