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「でも残念だったね! もう時間はあと僅か! 魔法の使えない土人形一体だけじゃ捕らえきれないでしょ! あとは飛び回って逃げるでもしたら──」
「ああやっぱり知らないんですね」
やっぱりか。
もし知っていたら、冗談でもあの男を出場させようなんて思わなかったはずだ。
「学園なんかじゃ、結構知ってる人も多いんですけどね」
まあ地下にずっといたんだ、知らなくて当然か。
「魔法が使えないんですよ」
「は?」
呆気にとられた顔。
色々と表情に忙しい人だなあ。
「だから、バドは魔法というものが一切合切使えないんですよ。あの男ができるのは妄想と変態行為だけです」
「そん……な」
テテさんはバドを見る。
「恥ずかしながらな」
バドは自慢げに。
褒めてないよ。
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