死番虫スケルツォ

9/12
前へ
/739ページ
次へ
 段々と、低く。  段々と、低く? 「何か大事なことを忘れてるような……」  なんだろう。  勝って終わりのはずなのにモヤモヤする。  なにか──見落としている。  ──視線を上げると、テテさんが横目でこちらを見ていた。  ラナ姉妹が真ん中の足場に到着する。 『猫耳幽霊チームに二ポイント入りました』 「え?」  馬鹿な……。  いま何だって? 相手に二ポイント入った? じゃあこれで二対一になったということで、僕たちが負けて……あれ? 「にゃは、にゃっははははっはっは! 甘い! 甘いよ! 『僕たちの勝ち』だって? 妄言妄言妄言妄言! 寝言は寝て言うんだね青二才ちゃん!」  テテさんは──狂ったように笑った。
/739ページ

最初のコメントを投稿しよう!

872人が本棚に入れています
本棚に追加