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「やあリベラリスト、お前は今日も負けちまったな」
負けた。
完敗だ。
完膚なきまでに負けてしまった。
言うべき訳なんか見当たらない。言って繕うことなんかできっこない。
単純に僕の力不足だ。
負けに負け続けた人生だったけれど、やっぱりこうして負けてみると、少し堪えるものがある。
「つまんねぇ人生してるな僕」
崩落から逃げ出し、来た道を逆に戻る僕とクルウさん。眼鏡で確認する限りでは、幸いにもチャンタクさんもラナ姉妹も無事なようだ。
チャンタクさんとラナ姉妹。彼女たちを欠いたままで反撃する余力が、果たして僕たちにあるのか。彼女たちを無理矢理にでも参加させて反撃に出ることも吝(ヤブサ)かではないが、ルールに縛られつつ勝てる見込みはあるのか。
そもそも戦いに関係なく『古の碑文』とやらを押さえれば勝てるのかもしれない。だが、僕たちが言い出した戦いだというのに、それはあまりにも道義に反するというものだろう。
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