死番虫インテルメッツォ

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「惜しかったねえ、もう寸でのところまで来ていたのに。まさかあんな荒業で出し抜かれるとはね」  倉庫の一室。  並々ならぬ調度品が、威圧しながら鎮座している。今にも動き出しそうな鎧兜、抜いたら何かが始まってしまいそうな地面に刺さった剣、使うと唱えられた呪文を全て唱えた相手に跳ね反しそうな盾。本や巻物、書簡といったものが調度のほとんどだが、地下に行くにつれて、ああいう厳(イカ)めしいものが増えてきていた。図書館じゃないだろもうこれ。  僕たちは、皮貼りのリッチなソファーに座り、休憩中である。休憩中というよりは、脱力中のほうが的確な気もするが。 「まあ仕方がないですよ。あっちが一枚上手だったってことです」
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