死番虫インテルメッツォ

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 負けたということになれば、猫耳幽霊の像とか、猫耳幽霊フェアとか、手伝わされることになるのかな……。 「そう言えば、勝ったらどうするつもりだったんですか? 負けたらの話はしてましたけど、勝ったらの条件は話してなかったですよね。やっぱり即時退却とかですか?」  向かい合うソファー。  僕が一人掛けの椅子で、クルウさんが長椅子。別にクルウさんを上座に、恭(ウヤウヤ)しくするつもりがあったわけではないが、肩身が狭いのも確かだ。  テーブルの上には紅茶。自然な流れで、頼まれて用意してしまったのだが、僕はなぜクルウさんをもてなしているんだろう。 「うんにゃ、逆だよ逆」  クルウさんはティーカップを持ち上げる。
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