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クルウさんは笑っていない目で、何もない目で僕を見る。
厭らしい顔だ。
やはり彼女という人間が好きになれない。
「私は君に興味がある」
「なんです藪から棒に、貴方も僕のことを弄びたいとかいう口ですか」
いやいや誤解しないでくれたまえよ、と前置きする。
「正確には、あのグレアリアが興味を持った君に興味がある、と言ったほうが正しいかな」
ああほんとに厭らしい顔だ。悪巧みをしている人間の顔というやつは、ほんととことんに厭らしい。
あの怠惰なる魔女をしてもそう、あの完成された幼馴染みをしてもそうだ。およそ悪巧みをするやつらは、決まってたちが悪い。たちが悪いし、柄が悪い。無遠慮に絡んでくるし人を人とも思わぬ所業。ヤンキーだ。きっとヤンキーは彼女たちと起源を同じくする同種の生命体なのだと思う。いや、ダメージが肉体的なだけヤンキーのほうがマシだ。彼女たちは精神を、魂を喰らう。
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