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「クルウさんは、あの魔女とどういう関係なんですか?」
クルウさんは少しだけ目線を上に移動させた、ように見えた。
言葉を選ぶ。
「そうだねえ、うーん、なんていうか……『戦友』、なのかな。うんこれがしっくりくるところだね」
「戦友ですか」
ということは、クルウさんも魔女と言われる程の魔法使いなのだろうか。戦友──あの魔女が昔どうしていたのかなんて知らないけれど、それなりにハードな背景を背負っているようだ。怠惰きわまりないあの態度は、その反動なのかもしれないな。少しは寛容になるべきか。
勝手に人の過去を詮索することに、ちょっとだけ抵抗を覚えたが、あの魔女の新たな一面を垣間見れることに、僕はなんだか高揚するところがないでもなかった。
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