死番虫インテルメッツォ

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 おほん、と咳払いをひとつ。  神妙な面持ちで、顔の前で手を組む。 「あれは宇宙戦争の末期」  おい。 「反政府軍の一団が我が母船に攻め入ってきた時の話だ。当時東辺境統合司令部総司令官だった私は、最前線にいた彼女のことなど知らなかった。だが、二つ名だけならば聞いていた。《死の呼び水(コールオブデス)》、彼女の行く先々には死が付きまとう」  ネーミングセンスは相変わらずのようでなによりです。 「我が艦に配属された理由は簡単だ。厄介払い、それに尽きる。そして我が東辺境統合司令部は、軍部でも随一のお荷物。彼女がうちに来たのは必然だったのさ。そしてあの事件もまた、その必然が引き起こした、些事にすぎなかった……」  クルウさんは遠くを見る。 「長そうなんでそろそろいいですかね」  たぶんこの話だけで1クールくらい行けそうだよ!
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