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「そう考えると辻褄が合います」
僕は感想を、思うがままに言った。当たっているかはわからない。根拠だってぜんぶ状況証拠でしかない。
「かもしれないね」
反論はなかった。
でも、とクルウさんは言う。
「そこまでさ。もう戦いは終わったんだ。何に怒ったのか知らないが、まさか天井まで落としてくるとはね。今日の彼女は少し気性が荒いみたいだ、これ以上無理をして、君たちに怪我をさせるわけにはいかない。そうなったら、いよいよ冗談じゃ済まなくなる」
「ということは、他にも手だてがあるんですね」
僕の詰問に対して、クルウさんは「こりゃ失言だったね」と顔をしかめた。
あるはずなのだ。なんの因果か僕が考えることとなってしまったが、本当ならそれはクルウさんがやっていたはずのことであって、もっと別の手段があって然るべき。
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