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「君はどうしたいんだい?」
どうしたいのか。
クルウさんの真意を、行動原理を、その策謀を聞いて、問い質してしまって、いったいぜんたい僕がどうしたいのか。
答えは単純だ。
僕は。
「勝ちたいんです」
キョトン。
言葉にするなら、これほど正鵠を射た表現もないだろう。
僕の言葉を聞き、呆気にとられた様相で、クルウさんはしばらく目をぱちくりさせる。
「ぷっ」
笑われた。
「あっははははははは! 勝ちたいときたか! あはははは! すごいな、今の破壊力は中々のものだぞ! まさか君の口からそんな素敵な台詞が聞けるとはな! あのグレアリアに自分と似てると言わしめた君が! あはははは! 世界とは素晴らしさの連続だな!」
そんなに僕は怠惰に見られていたのか。軽くショックだ。
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