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「というのは建前で……」
頭を掻く。
ちょっち恥ずかしい、かな。
あんまりこういうのは柄じゃないんだけど。
「チャンタクさんやポムン、パムス、そしてクルウさんにも……。みんな僕の、あんな作戦とも言えないような下らない暴挙に、付き合ってくれました。頑張って、頑張って、結局勝てなかったけど、でもみんなの力がなければ、あそこまでの結果は残せませんでした──だから僕は報いなくちゃいけないんです。怪我を気にしているのなら、手伝うのは僕だけでもいい。危険だと言うのなら、捨て駒と思ってくれていい」
猫耳の名誉のためにも。
手伝ってくれたみんなのためにも。
「勝ちたいんです、お願いします」
頭を下げる。
こんな安い頭なんするものぞ。
クルウさんは独り言を言う。
「……自分のためには動かない、か。猫耳を使えと言っていたのはそういうことか。荒療治というかなんというか……」
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