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まあ茶化されて帰されるよりましか。
あの文言が嘘でないなら、わざわざこれ以上の徒労をすることもない。もう終わっているのだ。さっさと帰ったって、クルウさんにはもう利益しかない。失敗は僕が重荷を背負えばいいだけで、クルウさんは気にせず帰ることができる。
だから、胡散臭くもあったが、僕にまだチャンスを与えてくれたことには、感謝をしなければならないと僕は思った。
達成できそうな案では決してないけどね……。
「わかりました、それで構いません」
反省モードを解除し、立ち上がる。クルウさんが右手でさっとエスコートしてくれる。なんだか彼女の一挙手一投足には、変に違和感があるな。僕の考えすぎなのかもしれないが。
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