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──もしかして始めから抜けていたのでは?
今となってはわからないが、ない話ではない。クルウさんがいじってる段階ではもう抜けていて、それを僕に、さもまだ抜けていないように見せて提案する。
なんだか詐欺師の常套手段みたいだが、だとすると責任逃れなのか。一応の体裁を、決定権を神やなんだかにすり替えつつ、結局決めたのは自分。おい、ちょっと待て──だとすると僕が戦いを指揮したのも、まさか彼女の何らかの作為の結果だったりはしないだろうか。
「負け犬ってか、操り人形じゃん」
まあいいか、なんにせよ勝って帰ってあげることが、一番の手土産だ。僕が負けっぱなしの人生だったとしても、そんなの誰も知ったこっちゃないし誰も迷惑しない。むしろみんなが幸せにならんとする結果なのだから、良いことずくめだ。
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