死番虫インテルメッツォ

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 作戦か。  考えるにしたって材料がもうほとんどない。  クルウさんはどうするつもりなんだろう。  もし先の戦いを継続するつもりなら、幽霊を説得して再開を申し出るしかない。でもそんな、もう勝っている戦いを再度行うようなことはしてくれないに決まっている。  だとすると、他に何か、テテさんの言っていたルールに落とし穴があるということか。例えば、もっと他の、何かカイジ的な、何か傾ける的な、そんな大掛かりな仕掛けを用いて相手を罠にかけるとか。いやいや、もしそんな、会場そのものを操作できるのなら、あんな足場を下げるような罠を回避できたはずだからそれもない。 「わかんねえな」  限界だ。  僕に考えられるのはそこが限界。  僕は背中から倒れるようにして、ソファーにもたれかかった。
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