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カサカサと奇怪な動きでチャンタクさんの回りを動き回り、その度に、このアングルがいいとか、ここにメイド服ならどうとか、そんなことをブツブツと呟く。
チャンタクさんは、やはりあわあわし、両手を高く上げ降参の意を示したが、そんなこと委細構わず、男は奇怪な動きを続ける。
そして段々と息を荒げ、チャンタクさんに尋ねる。
「ハァ…ハァ…、耳、触ってもいい?」
ズガン。
小気味のいい打撃音。見ると、辞書が一冊男の後頭部に直撃していた。
「いやー、お見苦しいものを。すまないねヨーイチ・シガラキ。イム・チャンタクもすまなかった。悪気はないんだ、許してやってくれ」
現れたのは、両目を包帯で覆った女性。黒髪長髪、どことなく雅な雰囲気である。
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