死番虫フィナーレ

2/13
前へ
/739ページ
次へ
「猫耳フェア開催中ですよー、かわいいかわいい猫耳幽霊ちゃんがお出迎えしますよー」 「そうだぞ! 猫耳の素晴らしさを存分に堪能するがいい!」 「キシャアアア」  フロサンド私営図書館正面。  大々的に、幽霊つきの図書館と周知され、それを見に連日大にぎわいだ。テテさんと、バドと、あとバドの使い魔のレイカちゃんが、幟(ノボリ)と法被(ハッピ)を装着し、宣伝活動に勤しんでいる。  まあそんなことだろうとは思ったけどね、とりあえず、言うべき言葉はこれだろう。 「なんでやねん」  僕は隣に立つクルウさんに、突っ込んでみた。  そういう僕も幟と法被を装着している。 「どうしたんだい? 急にそんなにコミカルになって。漫才で宣伝しようという作戦なら手伝わないでもないぞ」  クルウさんに至っては、風船細工をするおっさんと化している。頭には猫耳形に作り上げた風船が被られている。
/739ページ

最初のコメントを投稿しよう!

872人が本棚に入れています
本棚に追加