ラダ学園

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「俺はバドッグ・レッターダ。気軽にバドと呼んでくれ猫耳少女」  バドック──さんをつけるほどの敬意が生じようもないから、初めから呼び捨てでいいだろう──の言動に終始びくびくと怯えるチャンタクさん。余程怖かったらしい。  緑の縁の眼鏡をかけた金髪青年。精悍な顔立ちだが、にやけが顔に張り付いており、その気配はまるでない。  にしても、こちらにもいるんだな、こういうやつは。 「時に、これは君が?」 「ええ……、まあ」 「ぬるい!」  一喝された。 「尻尾はどうした! 首輪はどうした! 突き詰めるならば完全を目指せ!」  前言撤回である。  同志バドックは、できる男であった。 「ふっ……」  僕は無言で右手を差し出す。  バドックもそれに応える。 「男の友情は、相も変わらずわかるものではないな」 「です……」
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