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イメージの反映は図書館のなか限定の作用だ。だから、イメージによって作り上げられた本は、図書館の外には持ち出せない。
この図書館は──その亡霊の頭の中を垣間見ているに等しい。
「マルミラが言ってたのって、まさかこれかよ」
マルミラは図書館を『体内』と言って、来ることを拒んだ。そしてそれを怖気がするとも。もしかしたら、あれはマルミラなりの助言だったのかもしれない。
「わかりづれーよ!」
なら『古の碑文』は?
というより、あの日記もまさか──その誰かが書いたものだってのか。そうだよな、どこの誰が、人様の書いた日記に続けて自分の日記なんて書くものか。書くなら新品を買う。
何百年と前から、いや大陸分断以前のそのもっと前からだ、その亡霊と呼ばれた誰かは、終わることのない日記を書き続けてるっていうのか。
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