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そもそも、その『亡霊』ってのは何なんだろう。日記書いたり、本を残したり。さながら世界の歴史を、進み行く時の流れを、ずっと監視しているみたいな。
それをテテさんに尋ねてみたところ、「『Dグレのブックマンみたいな立ち位置』だって言ってた」らしい。
中立だって? とんでもない。自分勝手好き勝手に、こんな惰弱で脆弱な少年をいじくり倒して楽しんでいるじゃないか。
「はあ……、なんで皆こうも我の強い人ばっかりなんだ」
完全無欠の天才。
怠惰なる魔女。
記録を司る亡霊。
別に勝ちたいわけではないのだが、絶望的なまでに敗北を喫せざるを得ないと、そう思わされる。
誰も彼もが、自分のできることを、やりたいことを、やらなければならないことを見つけて、見出だして、そのために生きている。自分という形を、少しでも知っている人間は強い。
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