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その点、僕はまだまだだ。
一所懸命、作戦を練ってみたり、周囲の有り様から状況を推察してみたり、色々してはいるものの、ほとんどが誰かの掌の上だったり、小さな箱庭の中でのことだったりするのだ。そして僕はそれに気づかない。
地下での戦いだってそうだ。まず、どうしてあそこで、バドが負けを宣言したのか、僕にはまだよくわかっていない。バドの言っていたこともわからないでもないが、だからって勝ちを譲るものか。いやそれよりも、どうしてあの作戦で勝てると、かの司書様は思ったのか。
「だってそのほうが、かっこいいと思うだろ普通」
たまたま通りかかったクルウさんに尋ねてみたら、さも当たり前のように、そう返ってきた。
どこの普通だよ。
僕は諸手を挙げて降参した。
ほんとため息しか出ない。
そうしていると、クルウさんが「サボってないでさっさと働け馬車馬が!」と言ってきた。
はいはいわかりましたよ。
馬車馬のごとく、使われに行きますかね。
僕は伸びをする。
さて。
今日も世界は平和だ。
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