怪人と僕

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 長く続く廊下。  長く、長く、暗い。冥府やら地獄やらにでも続いてるんじゃないかと思うほどに、どこまでも続く薄赤い篝火が、点々と淡々と、飾り気のない殺風景なこの廊下の先にある、ただただ黒いところに僕たちを運んでいく。 「それにしても、クルウさんって何者なんでしょうか」  右下から少女が僕を見上げる。カワイイ。  さすがに毎日は猫耳をつけてはいないらしく、今日は私服だ。残念ながら。  うーん、それにしても、なんだか露出が少し多めなのは気のせいだろうか。スカートは学園でも変わらないが、胸元から谷間が少し覗くような、なんだか扇情的な服装をしている。控えめな性格だとばっかり思ってたけど、意外とプライベートでは小悪魔だったりするのかな。
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