怪人と僕

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 どこに出るのかもわからない怪人そのものを待つより、ボールとか用具が本当に出ているのかどうかを確認するほうが建設的。  その噂とやらの真偽を確かめるには、体育館が一番わかりやすい。チャンタクさんには悪いけれど、他は後回しにさせてもらうとして、まず僕たちは体育館へと足を進めることにした。  この『夜の学園ワクドキ探検ツアー』を開催するにあたり、実はマルミラやバドにも声をかけていた。  マルミラは内容を告げた瞬間に食い気味に拒否をして、バドは無用な選択肢は消しておくものだと断られた。選択肢って何の事なんだろう?  結局参加者は僕とチャンタクさんだけになってしまった。けどマルミラは、チャンタクさんが一緒に来るって言ったら、少しだけ来る気になってくれたんだよね。やっぱり人数が多いと、少しは気分もまぎれるのかな。でも、どうやら何か急用ができたとかで、ここに来るほんのちょっと前に、泣く泣く行けないと連絡をもらっていた。賑やかさが欠けるというのは寂しいが、二人でもチャンタクさんは十分楽しそうだし、これはこれでよかったのだろう。
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