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「様子、見てくる。チャンタクさんはここで待ってて」
もしアレが本当だとして、何かがそこにいるのなら、確かめなければならない。何らかの偶然ならそれでいい。ただ正真正銘の怪異であれば、僕たち二人がかりでもきっと太刀打ちできないだろう。だから、危険を冒すのは僕だけでいい。
僕はチャンタクさんを引き剥がす。心配そうな表情をして、チャンタクさんは僕を見る。
「でもシガラキさん一人じゃ……」
「大丈夫大丈夫、ちょっと見てくるだけだし。もし怪人が出てきたら、僕の秘奥義で一撃必殺さ」
「そんな凄い奥義があったんですか!?」
「瞬時に相手のトラウマを探り出し、相手にだけ聞こえるよう耳元でそれを囁くことによって、周囲の空気を壊すことなく、狙った相手の動きだけを一瞬にして止める技さ」
「極悪非道ですね!」
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