怪人と僕

39/58
前へ
/739ページ
次へ
 チャンタクさんと一緒に来ていることを伝えたら、私も行きたいと言うので、僕はテテさんと一緒にチャンタクさんのところに向かうことになった。  テテさんはかなり疲れているようで、それほど速くは移動できないらしいので、チャンタクさんには少し長く待っていてもらうことになるが、僕らはスローペースで歩くことにした。  テテさんは脱力しながら言う。 「人を散々おもちゃにしておいてさ、それで置きっぱなしにするなんて、君の神経を疑うよ」 「嫌だなあ、後からちゃんと、あの缶は回収に行く予定でしたよ。ゴミは残したら迷惑ですからね」 「私の心配は!?」 「土葬がいいのか火葬がいいのか、そこが悩みどころだったんですよね。結論としては、触れないことも考えられるので盛り土だけにしておこうかなと」 「殺ること前提だったよ! 心配って、葬儀の仕方!?」 「そしてその後、バドを現場に呼び出し、僕はチャンタクさんと一緒にそれを見つけ犯人に仕立てあげる。事前にバドの指紋をつけておいたスコップが庭に。二人の仲が最近悪かったと周囲には話をしておく」 「綿密な計画までしてたよ!」  「鬼! 悪魔!」とテテさんに謗(ソシ)られた。  冗談だけどね。  ふふふ……冗談だとも。
/739ページ

最初のコメントを投稿しよう!

872人が本棚に入れています
本棚に追加