怪盗と僕

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「女の子に、『どこに行ってきたの?』なんてことを聞くのはよ、マナー違反ってもんだぜ」  そこは察してやりな。  マルミラは言う。  まあ一応マルミラも女の子カテゴリだし、わかるのだろう。 「でも心配だし、聞きたくもなるだろ?」 「無事なのがわかったのに追求してどうすんだよ。野次馬根性は嫌われる元だぜ?」  昨日の一件において、いなくなったはずのチャンタクさんは、合流したテテさんと一緒にあっさりと現れた。いなくなっていた理由については聞いても教えてくれず、とりあえずは怪我もなく、屋上の怪人に関連したなんらかの事件に巻き込まれたのではないとのこと。  色々とあってなんだか場が白けてしまって、結局昨日はその後すぐに解散と相なった。  テテさんには不法侵入に厳重注意をしたので、おそらくはもうこれ以上不思議が増えることはない。だんだんと八不思議も収束していくはずだ。 「それに、イムが屋上にいないことくらいすぐわかるだろ」  私はすぐわかったぞ、とマルミラ。 「どうやって?」 「気の流れとか読んで」 「…………」  同意しかねるぜ超人よ。  せめて凡人が納得できる程度の技を使ってくれ。
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