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なんつって?
いったい何に対しての『なんつって』なのだろう。
まだ半分ほどフェンスに体重を預けたままの体勢でマルミラを見る。マルミラは何が面白いのかまだ含み笑いを続けていた。
僕が疑問に思っていると、今度は口を拳大にまで空け、不敵に高笑いを始めた。破顔という言葉が似合うほどに、いつものマルミラからは想像もできないような、あられもない表情で──まるで別人のようだ。
「マルミラ……、だよな?」
僕の問いかけは否定される。
「残念」
と不敵に笑う。
あまりに笑ったので段々と身体が仰け反っていき、そして不意に、後ろ向きに落ちた。グラウンド側ではなく、屋上の側にである。心配ないとは言ったが、それでも危なそうなのはやはり当然の感覚だ。咄嗟のことで反応が少し遅れたが、それでも僕は慌ててマルミラに駆け寄ろうとする。
が、マルミラは両足をフェンスに引っ掛け、落下を阻止した。おどけて見せたかっただけのようだ。
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