縄跳びと罠

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「それで、怪盗キール六世と決闘をする羽目になったと。挑まれちゃったらしょうがないですよね、……ってバカ! お猿さんでももっと利口です! 第一そんな提案断るでしょう、なんで引き受けちゃうんです!?」 「だって、そうしたらマルミラも助かるかなって」 「だってじゃありません!」  僕はチャンタクさんに説教されていた。  どうしてチャンタクさんに説教されているのかはまったくわからないのだが、とにかくチャンタクさんがかなりお怒りです。  正座。  姿勢を正して。  屹立するチャンタクさん。  それは僕が座っているからか、それとも彼女の威圧感がそうさせるのか。その身長に反してとても大きく見える。  仲裁とでもマルミラはチャンタクさんを諭しにかかる。 「その辺にしといてくれや、ヨーイチだって悪気があったわけじゃねえんだからよ」 「甘やかしたらだめです! またこの間みたいに一人で解決しようとするんですから!」  しかしチャンタクさんのお怒りは、そんなものでは静まらないようで。
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