縄跳びと罠

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 怪盗キール六世との一騎討ち。  伸るか反るか、乾坤一擲の博打に出た僕の作戦だったが、明らかなる挙動の不審さにより、拘束監禁される運びとなる。  僕は割とポーカーフェイスで通ってるんだけどな。テテさんにも血も涙もないとか言われてたし。  何がどう露呈したのか、マルミラに追求され、昨日の夜に何かあったのではとチャンタクさんをまず拐い、関係がないとわかったものの今度はチャンタクさんにも一緒になって追求詰問され、逃走を図り、本気めの攻撃をされ、幾多の罠を掻い潜り、なんか無関係にラナ姉妹に急襲され、疲労困憊し、そして体育用具室に逃げ込んだところで、あえなく僕は御用となった。  正座は元より、逃げないようにとなわとびで縛られ、僕は両手両足が封じられて動けない。まああれだけ逃げ回れば当然か。  ちなみにこの間、図書館でされたのは亀甲縛り。今日は菱縄縛り。バリエーションが豊富でなによりです。  まさかチャンタクさんがそれをできるとは思わなかったけど、きっとこの前の時にでもラナ姉妹に教えてもらったのだ。まさかそんなことを日夜自発的に勉強しているでもないだろう、無理矢理に奴等に教え込まれたに違いない。今度会ったときに奴等にはきつく灸を据えてやろう。
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