縄跳びと罠

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 ひとりになり、役割を失い、僕は何者でもなくなった。こちらに来て、魔女に出会い、学校に行くことになるその間、僕は虚ろだったと魔女は言う。失った何かが僕の行動から元気を奪っていたのだと──そして僕はマルミラと出会った。  赤熱の業火。  マルミラ・ジューク。  誰からも慕われるいい人。  マルミラもまた、彼女同様に才覚に秀でた人間であった。万能。有能。スポーツから勉学に至るまで、近代魔法から高位魔術までありとあらゆる技術を網羅する、まさに才覚の申し子であった。彼女と同様に。  だから僕は彼女でいいやと、彼女に着いていれば僕はまた影になれる。そう思って、つい最近になるまで多くの時間を彼女と行動を共にしていた。一日に一緒にいる比重が、憐の時ほど多かったわけではないが、それでも割と満足ではあった。役割を得たのだ。彼女に付き従う僕(シモベ)。僕は今もってマルミラ親衛隊の隊員になってはいなかったが、それでもマルミラは優しくしてくれた。  だから僕は、甘えたのだ。  その甘えが、マルミラに迷惑をかけた。
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