ラダ学園

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 僕は教科書を少し大きめのリュックから取り出し、さっきまで使っていた教科書を中にしま……、しま……えない。 「何でだ、取り出せたならそれだけ隙間ができたはずなのに」 「そりゃあ…、そんだけギッチギチに荷物が詰め込んであったら、隙間もくそもないだろ。ヨーイチ、いい加減片付けしろよな」  ギッチギチ、マルミラの言う通りであった。  でもそれは仕方がないのだ。他の生徒は、猫型ロボットよろしく四次元ポケットから取り出したり、極小コンパクトサイズにまで縮めて運んでいたり、従僕や使い魔というやつなのか誰かに運ばせたり、中には毎回教科書をその場で作り出す人もいる始末だ。  その点僕はまだ魔法を習い始めたばかり。覚えているのは精々、元素魔法の基礎の基礎とか、あとちょっと物を浮かせてみたり、小さな無生物を召喚したり、武器や肉体をちょびっと壊れにくくしたり、どれもこれも手習い程度なのだけれど。
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