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恐ろしいのは、それが冗談ではなく実際に想像できてしまうあたり。さらにはその個所や行われるであろう具体的な内容が、およそキスと言って想像できうる、行為の最上位に位置する種類なのではないか、とまで考えることができてしまうほどの邪悪さが、その軽めに言われた数文字の中に含有していることである。
いやきっとフレンチなやつだね。そうだよ、彼女たちだって人の子だ。常識や節度なんて言葉を見聞きしたことのある人間ならば、まさか朝っぱらからそんな粘っこい作業をするはずがないじゃないか。うんうん。
「そういやその後は一緒に朝の洗いっこをだな」
「はーいまたまたストップです」
なんだよ洗いっこって、その魅惑的な言葉はどこで仕入れてきたんだ!
もう、そんな子に育てた覚えはありませんよ!
「ちなみにお風呂場でマットを使ってこう」
「もういい、もういいよ」
あいつら家でそんなことをしていたのか。
まったくうらやま……じゃない、けしからんな。
服装のセンスしかり、マルミラは日常的な作業については割と無頓着だからな、もしかしたらそれらの行為の意味をあまりわかっていないのかもしれない。教えるべきかどうかは悩むところだが、教えようが教えまいが、寛容なマルミラにとって、行為に付属する意味なんてものが、彼女たちとの時間を満喫するという目的そのものよりプライオリティが高いとは思えない。はあ、ここはまあ、好きにさせておこうか。
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