はじめまして

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「―――では、只今から5、6人でグループを組んで下さい。お互いのコミュニケーションを兼ねたディスカッションとグループワークをして頂きます。」 4月初め。 今年から大学生になった私は3日間のオリエンテーション真只中だった。第一希望の大学に滑り、第二も第三にも縁がなく、滑り止めの第二希望の学科に入学した。それだけでもやる気が削がれるのに同郷の友達もなく、面白味に欠けた。 ――唯唯消化していくだけの4年間、独りだけでいいや。 与えられる作業を淡々と流しながら、目立つこともなく静かに過ごそう、班に別れながらそう考えていた。全体がある程度班に分かれられ着席すると、早速題目が出された。 始まってみれば、何故か自分の班が開始早々個性が強くお互いに楽しくて騒がしくなってしまった。出される課題を時間内にこなしつつ、何故か盛り上がった。 ―――まぁ、この場だけの勢いかな。 と、楽しくても卑屈に考えていた。長く付き合えて、この面子が友達でいられるなんて思わなかった。 着々と進み、次の課題は班内で一対一で5分間対話をし総当たりしてくださいとのこと。何となく当たり障りの無い会話を楽しみつつ、一人一人と話していくなかで、これからも友達付き合いがあればと言う気持ちが湧かないことはなかった。 4人目と会話するときに、相手を見ると目が止まった。その相手は班の中でも不思議な男子だった。 性格がとか、見た目が良いとかそう言うことはないのだが、縁が紫色の眼鏡で前髪が重めで襟足長め、肩が撫で肩の内巻き肩で、歩き方も内股気味で、班内でオネエなのかと聞かれたら、否と答えていた男子だった。 今もそうだが、入学式の時も大概卑屈こいていたので上の空だったのだが、学科に別れて一人一人自己紹介をしたときに、ピンクのネクタイってあるんや、と思ったのが目の前の4人目だったことを思い出した。 少し黙っていると向こうから「初めまして~」と今回の課題の始まり文句を言ってくれた。すかさず返して私たちの5分間は始まった。 「そういや、入学式にピンクのネクタイしてなかった?」 「‥うん、してた!よく知ってるねw」 「いや、実際男子で着ける奴初めて見たし。しかも薄目のピンク。」 「好きな色やねんw」 「確かにその携帯も同じ色やしなw」 そんな感じで会話を続けていたらあっと言う間に5分が来た。 「じゃ、またリンちゃんとルカ姉について語ろう!」 「わかったw」
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