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そう、あの日。 あの時僕があんな事をしなければ、僕の日常はごく平凡に何事もなく流れていくはずだったんだ。
3月25日の昼下がり、僕は近くの本屋に新刊のチェックをしに向かっていた。
あの本の続きが出ていたら買いだな! そんな事を考えながら本屋まで歩いていると
「ね~ね~。良いでしょ?これからどッかに遊びに行こ~よ。」
何か時代遅れのフレーズが聞こえてきた。 まだ居るんだな、こんな事言う馬鹿な奴。
まぁ僕には関係無いから、ここはスルーの方向で行こう。
僕は完全シカトを決め込む事に。
そしてその場を通り過ぎる際、ふと横目で見てしまった。
それがいけなかった。
絡まれている女の子と目が合ってしまった。 その子は僕に助けを求めた・・様な気がした。
考えること0.3秒。 言葉より体が勝手に動いていた。
バキッ!!
小気味良い音を響かせて僕の拳はナンパ男の顔面にクリーンヒット!
鼻血を噴いてその場に倒れるナンパ男。
「あっごめん。 痛かった? 痛いよね? こりゃ痛いわ。 でもね、駄目だよ君人が嫌がる事しちゃ。 ねっ・・・って聞いてる? お~い!聞いてるか~い!」
ナンパ男を引きずりあげ体を揺さぶってみる。
何度か強めに揺さぶってみると
「はっ! 今一体何が起きたんだ? ってテメー一体何しやがる!」
勢い良いねこいつ。 いきなり胸倉掴んできたよ。 これはちょっと指導をしないと。
そう思った瞬間、僕の拳はまたナンパ男の顔面にクリティカルヒット!!
はっ! 体が勝手に動く。 自粛しなくては。 何事も平和に平和に。
そんな事を考えてると、盛大に鼻血を出しているナンパ男(しつこい?)が何かに気付く。
「テメー って貴方様は! 炎鬼様!」
あの・・・その呼び方はちょっと止めて貰えません? その呼び名は嫌いなんだけど。
呼び方を変えて貰おうとナン・・・もう良い? 男を見ると
まるで脱兎の如くその場から逃げて行ってしまった。
君、失礼だよ。 人の顔見るなり逃げ出すなんて。 まぁ良いか。
ちなみに炎鬼というのは、僕が中学生の時に付いた不本意なあだ名です。 ただ僕は友達を助ける為にほんの200人程を相手に喧嘩して、無傷で勝ってしまっただけなのだが。
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