不安

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その雌は、マルトーといった。 目のくりくりした、歯並びの良く色白の、村でも評判の美兎であった。 礼儀正しく節操のある、品の良い娘だと、彼女に密かに恋い焦がれているものも少なくなかった。彼女を思って死ぬものさえあった。その内彼女がトビィのところへ嫁ぐことは、村中の常識だったからである。 トビィとマルトーは村一番のカップルだった。
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