ひまわりの少女を追いかけて

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 --外へ足を踏み出した途端ヒヤリとした空気が肌を撫でた。  特別寒いというわけでもないが、長時間立っていれば身体も冷えることは間違いないだろう。  洋風造りのお店、ソレイユの前には高原家公認の彼女であり家族の少女が待ち受けていた。  クリーム色のパーカーに身を包み、ポケットに手をつっこみながらレンガ素材の塀に寄り掛かっている。  既にお風呂上りなのだろうか、その髪にはチャームポイントである横の尾っぽが付いていなかった。  耳からはイヤホンが伸びており、音楽を聴きながら待っていたようである。  ドアから俺が出てきたことを察した雫は、一目こちらを見るなり微笑みを浮かべて小さくこちらに手を振ってくる。  ……一気にバイトの疲れが吹き飛んだ気がした。 「ああ、雫かわいい……」 「え? ど、どうしたの突然?」 「いや、言いたくなっただけ」 「そう。ちょっと驚いた」  彼女の前まで立ち手を差し出すと、何も言わずにこちらの手を握りしめる。  想像通り、俺よりも一回りも小さい手は冷たかった。
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