クーデレ少女がやってきた

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 呆然と立ち尽くす雫の頭にポンと手を乗せて、日和さんは母親の微笑みで雫に言う。 「なに、大丈夫。うちの息子は結構面白いやつだからさ。きっと雫も気に入ってくれるよ。それともやっぱりダメだった、こういうの?」 「……私は、ここでお世話になる身ですから、文句とかは言えません。ただ、同年代の男の人と一緒に暮らすことに驚いただけなので」 「はは、種をまいたのは私の方だけど、そう言ってくれると助かるよ」  か弱い猫のように告げる岸野雫に、日和さんは安堵したように笑って胸を下した。  彼女が俺と一緒に暮らせるかに心配を抱くぐらいなら、最初からしなければいいのに。 「さて、次は息子の番かな」   岸野雫の質問ターンが終わり、俺のターンが回ってくる。 「とりあえず、俺個人としては一緒に暮らすことはいいんだけど」 「まあ、おまえ個人としては美少女と暮らせてウハウハ美少女ゲーム展開だもんな」 「ひとつ屋根の下! いきなりやってきた女の子と嬉し恥ずかしな展開を送る毎日! これぞ男のロマン! ……じゃなくてっ」  日和さんのテンションに乗っかったら、怪訝な目で岸野雫に睨まれていることに気がついた俺は話を戻す。
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