空回りする夜

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「えっと、この家はどうだ? 生活には慣れそうか」 「……多分」  ワンテンポ遅れて、簡潔にそう回答する。  話が続かねえ......けど、俺は諦めぬ! 「そういえば、岸野って俺と同じ学園だったんだな。俺、全然知らなかったよ」 「……そう」 「明日から二年生で、確かクラス替えがあったな。俺たち、一緒のクラスになれるかな?」 「……明日にならなくちゃわからない」 「あはは、そうだな」  お話終了。  そして岸野は携帯電話を取りだすとおもむろにいじり始める。 (あれー、そういえば会話中に携帯電話をいじりだすって、その人の話に興味ないって意思表示だーって聞いたことあるぞー?)  つまり、岸野は俺と話したくない!?  導き出された事実に俺は心の中でショックを受ける。  日和お母さま、私目には彼女と仲良くなるのは、難しいと思われます。
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