クーデレ少女がやってきた

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 4月となり、外は少しずつ春の陽気につつまれ始めていることを実感させられるとある平和な春休み最後の日。  俺・高原由紀(たかはら ゆき)は、こんな最後の休みの休日は家に引きこもり、積んでしまっているゲームの消化作業に励むのが有意義な過ごし方であろう! そう自分に語り聞かせて、朝から昼時の今までリビングのテレビの前に居座っていた。  今やっているゲームは一世代前に流行ったRPGゲーム。  やはりRPGゲームといったら、スーパーファミコン時代が絶頂期だよなー。  そんなことを考えながら、俺はスーファミのコントローラを手にレベル上げに興じていた。   至福の一時。  そう感じながら、俺はテーブルの上に置いてあったコーヒーを飲みながら幸せを実感する。 「ああ......ちっぽけだなぁ、ゲームで至福を感じる俺って......」  目を細めて微笑みを浮かべる俺。  休日に惰性にもゲームに時間を費やす俺は、俺個人はなんてちっぽけな存在なのだというひとつの真理へと誘われていた。  これが哲学ってやつなのかもしれない。 「なに昼から変なこと言ってるんだ、おまえは」 「あ、母さ──日和(ひより)さん、おはよう」 「いや、なんで言い直すわけ。普通に母さんって呼びなさいよ」  リビングから続くキッチンより現れたのは、俺の母である高原日和(たかはら ひより)。  19歳の若さにして俺を産んだ日和さんは、息子の俺から見ても一児の母には思えないほど若々しい容姿をしている。  スラッとした体躯に、長い髪の毛は後ろにひとつに縛っていて、今日はジャージに身をくるんでいた。
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