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「相変わらず由紀くんは面白いですね?」
「あはは、俺はクールなキャラで通っている高原由紀ですぞ? 面白いとは無縁なんですがね」
「冗談は存在だけにしてほしいものですね~」
さりげなく存在否定ですか!?
口元に手をあてて小さく笑い終えると、一息の間を置いてみつな先輩は続けて話す。
「さて、由紀くん、岸野雫さんをご存じなんですか?」
「えっと、みつな先輩は岸野のこと知っているんですか?」
そう、自然にいつものごとくみつな先輩にいたぶられていたから忘れそうであったが、“岸野雫”の名前を彼女は知っているようだった。
聞き間違いでなければ、図書委員とも言っていた。
詳しい話をしようとしたところで、再びみつな先輩は足を踏みつけてくる。
「ちょっ!? なんで踏むんですか!?」
「私が先に質問しているというのに、それを質問で返すのは、失礼じゃないかと、先輩は思うんですけどね~?」
「う、失礼しました」
言われてみれば少し急いた行動だったかもしれない。
みつな先輩は岸野のことを俺よりもわかっている様子。
もしかしたら、俺よりも面識だってあるのかもしれない。
それならば、相談に乗ってもらうという形で事情を話してもいいかな。
俺は岸野が昨日から一緒に住むことになった経緯をみつな先輩に話す。
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