クーデレ少女がやってきた

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 なのにこの人ときたらわざわざハードにも2時間走ってくるとは。  そこまで体力伸ばして、魔女の次は超人になるつもりですかね?  日和さんは大したことないよとばかりに笑ってみせる。 「ははは。いやいや、流石に慣れましたがな。おまえも少しは身体動かせよ? ゲームばかりしてないでさ? あ、ちなみに名前は岸野雫(きしの しずく)っていうからね? よろしく」 「…………」  ただの戯言かと思いきや進む話。  しかしこうした妄言が続くことなんて、この人と暮らしているうえではよくあることだ。  無視無視。話を戻そうか。  妄言の相手より、家族として普通の話がしたいもんね。 「健康な身体だなぁ。いい加減歳を取るのを知ってくださいよ」 「あっはっは、身体が歳を取らないのだから仕方がない。それと、あと1時間で来るそうだから、よろしく」 「…………」  1時間ねぇ。そうやって急かして、俺を玩ぼうって算段なのだろうか?   しかし、本当だったら……?  いやいやあるはずない! 人間なんて犬猫みたくほいほい拾えるものではないのだから。  人間とはそれだけ大変なのだから。日和さんも、一応職業は看護師ってことなのだから、そのことも理解しているはず。  けれど……それを踏まえた上で本当にやってしまいそうな気がするのが、この人の怖いところだ。
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