ひまわりの少女

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 ──本日の学校の日程は、入学式を含めた全校集会と各クラスでの自己紹介。教材の配布や今後のことについての報告で終えるのであった。  学校が終わったのは午後に差し掛かろうとしている時間。  いつもより早い放課後が、これより始まるわけだが…… 「おい由紀。おまえどうしたわけ?」 「う、うん」  後ろの席からこっそりと心配そうにかけられる友人・勝平の声。  どうしたわけ、というのは、いつもの僕らしくないっていう意味だろう。 「やけに素直な返事だし!? いつものおまえなら隣の席の女子に躊躇いもなく話しかけているだろ? なのに、やけにチラチラと奥出に様子見てるんだよ」 「いや、これには事情があって」 「事情?」  俺は隣の席の少女を恐る恐る盗み見る。  どういう運命が働いたのかは知らないが、岸野がまさか俺と同じクラスで、しかも俺の隣の席だとは。  岸野は黙々と新しくもらった教科書をカバンに詰め込んでいる。  こちらの存在などガン無視といった感じで、ひとりで帰り支度を整えていた。 (俺が隣の席だと言うのになんの反応も示さないし、隣の席だというのに顔すらこちらに向けないし )  流石の俺も、ここまで徹底された無視にはどうすることもできず、隣の席だというのに話しかけることはできなかった。
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