クーデレ少女がやってきた

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 ……生唾を飲みこむ。 「あと、おまえ知らないだろうけど、おまえの隣の空き部屋、そこが雫の部屋ね。既に引っ越し準備終えてるから、お隣同士仲よくしなよ?」 「えっと、日和さん?」  あまりにもガチトーンで話を続けてくる日和さんに、俺は恐る恐るといった様子で尋ねた。 「さっきから、家族を迎えるとか、岸野雫だとか、あと一時間で来るとか、部屋のこととか……嘘ですよね?」 「は? いやマジマジ」 「と言いながら実は?」 「ドッキリでしたーっ、あははははは。なんてオチなくマジ」 「その証拠とかは?」 「証拠? うーん、まっ、1時間すればわかるよ」  疑いと焦りの視線を向ける俺に、日和さんはうっしっしと意味深に笑ってみせる。  その笑みはいつも日和さんが俺に、してやりました、ってときによく使う笑い方で、そして俺は悟ってしまった。  この人、本当に“マジ”で言ってやがる!? 「それじゃあ、私は部屋に戻って着替えてきますかな」 「ちょっ、ちょっちょっ!! なに爆弾おいてことなかったかのように立ち去ろうとしているんですか!? 新しく家族ってなに!? 岸野雫って誰!? 1時間で来るとかどういうこと!? そんでいつの間に部屋の準備をした!?」 「おお、今までのツッコまなかったこと全部ツッコんでるな、おまえ。あははは」  アメリカンな感じに、とぼけた笑いを日和さんはかます。 
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