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「ふふ、私に帰りを誘われてドキドキしているところに、あえて焦らしを加えてみました」
「Sだ。Sがここにいるよ」
確かに、みつな先輩のような美少女と一緒に並んで歩けることは光栄なことであるが、それを自覚した上で男を弄ぶなんて。
これが真の悪魔っ子ってやつなのかもしれない。
「それで、由紀くんはこれから岸野さんのプレゼントを買いに行くのですか?」
「はい。そのつもりです」
「うふふ、それじゃあ行きましょうか?」
「え? 先輩、ついてくるんですか?」
「もともとそのつもりで今日は由紀くんに待ってもらったんですよ。岸野さんについてなら、由紀くんよりも私の方が知っていますし」
そういえば朝の会話で、岸野のことを知っている素振りを見せていたな。
今日のバイトにしても、みつな先輩は岸野の能力をわかった上で指示を出していたようにみえる。
だから岸野も今日は初出勤にしてスムーズに動けたところもあったと思うし。
「岸野とみつな先輩の関係って一体?」
「それはプレゼントを選びながら話しましょうか。ここでいつまでも話してたら、お店閉まっちゃいますしね」
みつな先輩は先頭を切るようにソレイユを後にする。
俺も後に続くようにして、みつな先輩を追いかけるのであった。
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