線香花火

8/10
前へ
/10ページ
次へ
「楽しみだね~♪」 そう言って2人は怪しい笑みを浮かべた。 今思えば、この時気づけばよかったんだ・・・。 この2人の不審さに・・・。 放課後、アヤとユウがあたしに声をかけてきた。 「幸恵~? 幸恵は本当に行かなくていいの~?!」 「え・・・?! あ~・・・・・・うん・・・」 そう言うと、2人は不思議そうにあたしの顔を見た。 「ふ~ん・・・じゃあうちらは楽しんでくるから♪」 「じゃあねん♪」 2人はそう言うと、元気よく教室から出て行った。 (・・・・・・楽しむって・・・!!) そんなことが自然にできるなんて、まだあたしには考えら れなかった。 実はこの時のあたしはキスを体験すら、まだなかった。 あの2人に、こんなこと、口が裂けても言えるわけがない ・・・。 きっと笑われるんだろう・・・・・・そう思っていた。 これが援交できない理由だ。 家に帰ると珍しい両親が帰ってきていた。 親が家にいたことはあたしにとって・・・嬉しくもない、なん とも感じられなかった・・・。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加