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かつて、「黒龍」と呼ばれた暗殺者がいた。
武器の扱い――特に剣や銃――に長け、何人もの人間が彼によって地獄に落とされた。
狙われた標的(ターゲット)に、ただの一人も逃げおおせた者はいなかったという。
そんな男が、ある日、依頼をパタリと受けなくなった。
死んだのか、行方をくらましたのか、連絡すら取れなくなったのだ。
彼を抱えていた組織は怒り、次々と追っ手を差し向けたが、結局見つけられず、2年が過ぎていった……。
生きるために、もう何度盗みをしただろうか。……でも、捕まったのは初めてだった。
「ごめんなさい、もう二度としませんから……」
「ふざけてんじゃねぇよ!俺たちが誰か分かっててこんな真似したのか、アァ!?」
それはだいたい想像がつく。派手な服装に悪趣味なネックレス、懐に忍ばせている銃にふてぶてしい口調……。
たぶん、この辺を縄張りにするマフィアだ。でも、だからこそ私は彼らを標的にしたのだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
すでに数発殴られて腫れた口を動かし謝る。私は子ども。謝ればなんとかなるはず。
「このクソガキがぁ……。アニキ、どうしますか?」
私の首根っこをひっ掴んでいるマフィアは振り返り、奥で葉巻を吸う男に聞く。
「そうさなぁ……どうするかね……」
ポケットに手を突っ込み、大げさに腰を動かして歩いてくる。でもチビ、デブ、カツラの三重苦で、笑えるほどに似合ってない。
彼は私の目の前に来ると、アゴに手を置いて頭を動かし、私の顔をなめるように見回す。続いて体に移り、指でつつーっと足先まで走らせていく。
「もう二度と関わりませんから、今回だけはお大目に見てください……」
あまりの気持ち悪さに鳥肌が立ったがおくびにも出さず、できるだけ泣きそうな声を出して同情を買いにかかる。
だが男が放った言葉はとんでもないものだった。
「よく見りゃガキとはいえ、なかなかの上玉じゃねぇか。……おい、暴れねーように押さえつけとけ」
「へいっ」
周りの男が全員私の足や腕、口を押さえる。目の前の男はベルトを外しズボンを脱ぎ始めた。
「最初は痛ぇが、すぐに気持ちよくなるさ」
そんなことを言いながら今度は私のズボンを下ろし、下着の方に手を伸ばす。
や、犯られる……!?!?
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